画像解像度の自動調整

Word2007から始まった画像解像度の自動調整

Word2007から、画像の入ったワード文書を保存(docx)する際、画像の解像度が自動的に220ppi(標準の時)に変更される仕組みに変わった。実際、印刷時220ppiもあれば十分高画質である。
Word2003以前は、元画像のピクセル数をそのまま維持していたので、文書に何枚も画像を貼り付けると、文書ファイルの容量が大きくなっていた。

この設定は「ファイル/オプション/詳細設定/イメージとサイズと画質/既定の解像度の設定」にあるが、「ファイル内のイメージを圧縮しない」と言う解像度の自動調整を無効にするオプションも用意されているから、Word2003以前と同じく出来る。

また、Word2016より330ppiの上に「高品質」が追加になったが、「高品質」とは圧縮を最小限に抑え、解像度の高いディスプレイで最適化されるらしいが、それはWord2016が自動で行うので、具体的なppiは分からない。

モニターの基本事項

1pt=(1/72)inch、1inch=25.4mm、Windowsの標準モニター解像度=96px/inch
この基本事項から、
1pt=1/72×25.4=0.35277777≒0.35278mm
1pt=96/72=1.33333333≒1.33333px

印刷時の基本事項

あるサイズの用紙(mm)に指定解像度で印刷するとき、必要な画像ピクセル数(px)を求めて見ると、
画像のピクセル数(px)=(用紙の印刷有効サイズ×印刷の解像度)/25.4
逆に、ある画像を指定解像度で印刷したい時、選択すべき用紙は、
有効印刷サイズ(mm)=(画像のピクセル数/印刷の解像度)×25.4となる。
それでは具体的にWord2007以降の標準解像度220ppiで検討してみよう。
(1)A4サイズで縁なし印刷・印刷の向きがのとき
画像の横サイズ:297mm×220px/25.4mm=2572.4px≒2573px
画像の縦サイズ:210mm×220px/25.4mm=1818.9px≒1819px
(2)A4サイズで余白が上下左右10mm・印刷の向きがのとき
画像の横サイズ:277mm×220px/25.4mm=2399.2px≒2399px
画像の縦サイズ:190mm×220px/25.4mm=1645.7px≒1646px
の画像サイズが必要となる。

実例

上の(2)に合わせて、ワードの用紙一杯に画像を挿入するには画像の縦横比を固定しないとならない。
例えばGIMPで切り抜くには、「切り抜き」のオプションで値を2399:1646に固定して、「切り抜く」事が必要。(「範囲選択」でも出来るが、「切り抜き」の方が簡単。) では、昨年秋に撮影した「紅葉と虹のアシリベツの滝」を印刷して見よう。
オリジナルのサイズは4936×3296であるが、横幅を少しカットする感じで切り抜く。このとき、サイズを調べたら、4804×3296になっていた。 切り抜いたら、コピーして、ワードに貼り付ける。 この通り、ジャストフィットする(Word2003、「書式/段落/インデントと行間隔」で「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」のチェックを外す)。「図の書式設定」でサイズを確認すると、 GIMPでのサイズと同じである。

これをdocで保存したあと、Word2010で開いても見ると、
となり、元の画像サイズのままである。(3603×96/72=4804)
これをdocxで保存して、そのファイルを開くと、784.51ptであった。このサイズは画像の元サイズを示しているのではなくあくまで、画面上の表示である。先の1pt=0.35278mmで計算すると、276.8mm≒277mmとなる。これはページの横幅である。 では実際の画像サイズは、画像の上で右クリック(Word2010以降)で「図として保存」した後、画像ソフトで開き、サイズを見ると分かる(画像はJTrim)。 先に書いたように計算では
画像の横サイズ:277mm×220px/25.4mm=2399.2px≒2399px
画像の縦サイズ:190mm×220px/25.4mm=1645.7px≒1646px
となり、ほぼ一致する。
Word2010で保存したdocとdocxをエクスプローラで見ると、docxのファイルサイズはdocの約3分の1である。これは220ppiで保存したからに他ならない。

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